合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。
暑い日が続いておりますが、少しだけお日さまの光に秋の気配が感じられるようになった気がします。
蝉もツクツクボウシやヒグラシの声が主になってきていますしね。
さて連続でお伝えしている「陽のまどの効能」ですが、今回は「頭寒足熱」です。
今年の夏の暑さは尋常ではありませんね。お陰でどこへ行っても冷房がガンガンに効かせてあるので、入った瞬間は「涼しい~」と極楽気分を味わうのですが、しばらく滞在していると寒くなってきます。
喫茶店でも入った直後はアイスコーヒーで良かったけど、待っている間にホットに変更したくなるくらいで、そこまで強く冷房しなくてもいいのにと思うのですが、これくらいにしておかないと入ってきたばかりのお客を満足させられないのでしょうね。お陰でそこで働く人たちは、夏でも長袖とひざ掛けが手放せなくなります。
冷気は下降し、暖気は上昇するものなので、どうしても足元が寒く、頭の辺りが暑くなりやすい。どんなに最新技術のエアコンだって、この物理法則を曲げて快適をつくり出すことは難しいでしょう。各メーカーがそこを何とかしようと努力していることはわかるのですが、力任せの空調は、やはり不快にさせてしまうものだと思います。
「頭寒足熱」は心地よさの条件
足のふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれています。体中に血液を巡らせるためにふくらはぎの筋肉がポンプの役割をして、足から心臓へ向けて血液を送り返す働きをしています。この部分が冷やされると血行が悪くなり、体調不良の原因になってしまうので、夏でも冬でも足元の温度を下げ過ぎないようにする事が、健康で過ごすための重要なポイントになります。
「頭寒足熱」とよく言われますが、足元が暖かく、頭の辺りが寒い(涼しい)くらいの温熱バランスが心地良いし、身体にも良いという意味です。でも実際のところは、家でも職場でも「頭熱足寒」(頭が熱くて、足元が寒い)になっている事が多いのではないでしょうか。一般にエアコンは壁や天井に設置されていて、下向きに温風、冷風を送り出していますが、前述のように冷気は下へ、暖気は上へ昇りますからサーキュレータ等で攪拌でもしない限り「頭熱足寒」は解消されないでしょう。「とりあえずエアコンを付けとけばいいや」程度の空調計画では、ふくらはぎが元気に働いてくれる温熱環境にはならないのです。
子供たちの温熱環境のこと
「頭熱足寒」になりやすいエアコンの空調ですが、もう一つ気になるのが小さい子供たちの生活領域の温熱環境です。幼児の身長は1m前後と低いので、大人達が膝から下が寒くて不快に感じている高さが彼らの生活領域になります。冷房時には身体が冷気に包まれることになるし、暖房しても暖かい空気は彼らの所ま降りてきてくれません。子供たちは大人が感じているよりも過酷な温熱環境に身を置いていると言えます。子供は体温も若干高めだし、よく動き回るので室温は高めなくても良いですが、床だけは暖かくしてあげたいですね。素足で居ても冷たくない床をつくれば、家の中でも元気に過ごすことができるでしょう。
床を「面」で暖める陽のまど
陽のまどは、太陽熱で暖めた空気を床下に送って家全体に広げる仕組みなので、床の表面温度が必然的に高くなります。高いと言っても床暖房的な暖かさではなく、素足でも冷たくないくらいの温度なんですが、これだけでも足元の不快感は十分に防げるでしょう。またエアコンやストーブは、熱の広げ方が「点」からの暖房になりますから、同じ部屋の中でも暖かい所と寒い所ができてしまいますが、陽のまどは床を「面」で暖めるので、温度ムラも少なくなります。床が暖まると自然に空気が対流して隣接する壁や天井の温度も上がり「体感温度」が良くなるというのが、陽のまどによる暖房方法なのです。床が冷た過ぎてスリッパなしでは床に足を付けられない家は結構多いと思いますが、陽のまどを採用することでこれらが解消できれば、ヒートショックの予防も含めて健康的な暮らしが実現できると思います。