「窓」のように、おひさまを家に招き入れる

「陽のまど」は、サンシャイン・ラボが提案する太陽熱利用の方法です。太陽の熱であたためられた空気を、家いっぱいに取り込み、蓄えます。
おひさまの入り口になる、ということから「陽のまど」と名付けました。
太陽熱を取り入れるために、少しだけ機械を使います。でも、私たちはこれを「設備」としてではなく「設計手法」の一つとして考えています。窓と同じように、位置や大きさで働きが大きく変わります。「おいしい建築」の隠し味です。
「陽のまど®」と「太陽光発電」の違い
いまどき「ソーラー」と言えば「太陽光発電」の事と思われる人がほとんどでしょう。「陽のまど」もよく間違えられますが、「太陽光発電」は、太陽の光エネルギーを太陽電池が「電気」に変換して、照明や家電品の動力源として使用するものです。
一方の「陽のまど」は、太陽の熱エネルギーを室内の暖房等の熱として利用します。熱を何かに「変換」することなく、そのまま利用するので、エネルギーの利用効率が高いです。こういう「ソーラー」があるという事を覚えておいてください。



「陽のまど」と他の空気集熱式ソーラーとの違い
「陽のまど」は空気集熱式ソーラーというカテゴリーに分類されますが、同様のシステムは他にもあります。
歴史は他社の方が長く、陽のまどが一番の新参者ですが、基本的な考え方は同じです。
その違いを一言で説明するならば、陽のまどは「単純明快」でしょうか。
システムの考え方はそれぞれにあって、どれが正しいとは言えませんが、私はどんなに制御技術を駆使したところで、太陽をコントロールする事は出来ないのだから、素直に太陽に従うだけでいい。
季節の移り変わりの中で、太陽熱の要不要の判断は、住まい手自身が肌感覚で決めればいい。
という考え方を持っており、機械力を最小限にしています。
タブレット端末などで操作する他社製品に比べると何も無いに等しいハードですが、日が昇って温度が上がったら集熱空気を取り入れて、日が沈んで温度が下がったら停止するという基本の動作は変わりません。
同じ働きならば余分な機能にお金を掛けるのはもったいないし、故障した時の不自由を回避するためには、シンプルで壊れにくく、壊れてもお金がかからない方法が良いと考えて、敢えて「単純明快」に徹しているのです。
陽のまどのしくみ・冬
画像の番号をタップ/クリックすると解説が開きます。
陽のまどのしくみ・夏
陽のまどの効能
冬の朝も元気な目覚め ─ お日さまが住み着いた家の朝は一味違う
朝起きる時に寒いのは嫌ですよね。また夜中にトイレに行くのがためらわれる家も辛いです。陽のまどの家は、前日の昼間に集めた太陽熱を床下に蓄熱させ、建物の保温力(断熱·気密性能)で室温を保ちますから朝、布団から出るのが苦にならないし、真夜中のトイレも安心していくことが出来ます。お日さまが住み着いてくれた家の朝は一味違うのです。

ヒートショックを防ぐ ─ 急激な温度変化を生まないために
冬が近づくと「ヒートショックに気をつけよう!」といった注意が呼びかけられます。
家族が集うリビングは暖房されているけど、その部屋を一歩出ると凄く寒い廊下が待っているというような温度差の大きい家は結構多いです。室内のどこに行っても寒くない家が理想ですが、光熱費をかけずに実現することは難しいでしょう。そこで着目したいのが太陽熱です。「陽のまど」を利用すれば、日当たりの悪い北側の室であっても、極端な温度差を生じさせずに穏やかな温熱環境をつくることが出来るでしょう。「家」が健康を害する場所であってはならない。いつまでも健康で安全に暮らすために太陽熱利用はとても有用です。

快適の秘訣は「頭寒足熱」 ─ 床を面で暖めるムラのない温熱感
昔から快適を表す言葉として「頭寒足熱」があります。頭を冷やして、足元を温めると血行が促進されて健康でいられるという意味の四字熟語です。陽のまどは太陽熱で温めた空気を床下に送って、基礎のコンクリートに蓄熱させると同時に床の裏面を温めながら広がるので、床がほんのり暖まります。陽のまどが床下に暖気を巡らせるのは、快適の秘訣「頭寒足熱」の温熱環境をつくるためなのです。

きれいな空気を目一杯 ─ 空気のよどみをつくらない
他所の家を訪れた時に、その家の臭いが気になったという経験があると思います。
なぜか自分の家の臭いは気付かないのですが、他人の家の臭いは妙に気になってしまうのです。これらの原因は換気不足。空気がよどんでいるから臭気も篭ったままなのです。「陽のまど」がしっかり働く家では、この臭いがあまり気になりません。「陽のまど」は1時間に1~2回相当量の換気を行うので、臭気も残りません。空気のよどみをつくらないことが、そこに住む人と建物にとってとても大切なのです。

夏は夜空の力を借りる ─ 昼の熱はシャットアウト、夜空が冷やした外気を入れる
夏の「陽のまど」は、日射を受けた昼間の集熱パネル内の空気温度は、100℃を超える瞬間もありますから、そんなものを室内に取り入れたら大変!ファンは停止状態で熱い空気が室内に入らないようにしています。
日が沈み、気温が下がってくるとファンが運転して涼しくなった外気を取り入れます。防犯上窓を閉め切って就寝しなければならない状況でも外気を積極的に取り入れるので寝苦しさの緩和に役立ちます。
熱帯夜が続く中でどの程度の効果が得られるのか? 疑問に思われることでしょう。実感として星が良く見える快晴の夜空であれば放射冷却が利くので取り入れる空気温度が下がりますが、雲が多い夜空の場合は、布団を被って寝ている時と同じで地上の熱が籠るのであまり下がらないという感じになります。その日のお天気を意識しながら暮らすというのが「陽のまど流住まい術」と言えるでしょう。

床の温度が体感にいい ─ 心地よさの隠し味
「陽のまどの家は、住み心地がいい」と言っていただく事が多いですが、その理由を調べてみると一つには前述の「頭寒足熱」となるような熱と空気の動かし方をしているということが挙げられます。床が暖まると室内の空気が自然に対流を始めて隣接する壁や天井も同じような温度になって行き、そこから受ける輻射熱により人は心地よさを感じ取ることができるのです。室温が26℃あっても寒いと感じる家はありますし、20℃でも心地よいと感じる家もあります。「陽のまど」とは「体感温度」を良くするための「隠し味」的な働きをするものなのです。

新築にもリフォームにも ─ リフォームに対応できるソーラーをつくりたかった!
新築の家を暖かくすることは難しくありません。断熱性能も予算の範囲内で自由に選択することが出来るでしょう。しかし世の中に建っている大部分の既存住宅は、断熱性能等とは無縁の暑くて寒い家です。高齢化が進む中で「家」が健康を害する場所であってはならない。いつまでも健康で安全に暮らすために太陽熱利用はとても有効なので、住み慣れた家を断熱改修すると同時に「陽のまど」を取り入れて心地よさと安全性を確保する事ができれば人生の楽しさも長く続くと言えるのではないでしょうか。

光熱費が高騰する今だからこそ!
最近は、電気代やガス代、水道代などの光熱費が軒並み値上がりしてきており、家計を直撃しています。一方で夏はとんでもなく暑く、冬は地域によって大雪に見舞われるなどの異常気象が続いており、命を守るためには、高い電気代を支払ってでもエアコン等に頼らなければなりません。厳しくなる気候変動に対して、どのように対処していけば良いのかをみんなで考えなければならない時が来ているのだと思います。
陽のまどの家は、建築の工夫と自然エネルギーの積極的な利用により、光熱費を抑えながら快適な暮らしを実現することを実践しています。
家を長持ちさせる「陽のまど」
人が健康に暮らしていくためには、家も健康でなければなりません。最近の家は、高気密・高断熱化が進んでいるので、自然に空気が入れ替わる事のない閉じた空間になっています。だから換気が重要なのですが、空気がよどんだままの家は多くて、これでは人より先に建物が傷んでしまいます。特に床下の湿気が問題で、人間の身体と同様に家も足元から弱ってきますから、これを防ぐために陽のまどが働きます。

写真の白い糸状のものは蜘蛛の巣です。床を支える金属製の束には錆が発生しています。そして何より臭いがひどい!

おいしい建築研究所
ここまで「陽のまどとは何か?」という事と「陽のまどの効能」についてお話してきました。でもこれを設備的に建物に取付けただけで心地よい温熱環境が得られる訳ではありません。何事においても「調和」が大切だと思います。 一つの例として料理に当て嵌めて考えてみましょう。
料理に大切なことは何か?
見た目? 確かに綺麗な盛り付けは嬉しくなります。
栄養? 健康維持のためにはもちろん大事です。
でも一番大切なのは食べて「おいしい!」と感じる喜びではないでしょうか。その一言を聞くために料理人は、技術を磨き、知恵と工夫を凝らして料理をつくります。

建築も同じではないかと思うのです。見た目にこだわった建築。耐震性能や省エネ性能など数値にこだわった建築。便利な設備に囲まれた建築等々、様々ありますが、それらを部位ごとに見れば優れたものになっていたとしても、全体で見た時に調和の取れた建築になっているかは別の話です。料理だって素材は素晴らしいけれど、味付けは???ということもある訳ですから、建築も「味」にこだわるべきと考えます。
建築における「味」とは、私たちは「住み心地」と捉えています。住み心地の良い建築を「おいしい建築」と呼び、そういう建築の実現を目指す場として「おいしい建築研究所」があります。「建築の設計」と言えばデザイン的な話がほとんどですが、これからは「住み心地」についても同じくらいのボリュームで考えて欲しいと思っています。


「おいしい建築」における陽のまどの役割とは、陽のまどが無くても家は建ちますが、これが有った方がグンと味が良くなる! そんな隠し味のような働きをするものだと思ってもらえると嬉しいです。
陽のまどを採用してみたい!
陽のまどに興味を持ったけど、次はどのようにしたらいいの?
具体的な建築計画が有るのであれば、本ホームページの「お問合せ」からご連絡下さい。
見積依頼の場合は、専用のフォームを用意していますので、そちらに記載されている図面を添付の上でお申し込みください。
陽のまどに会員登録制度や会費の徴収はありません。やってみたいという方には、部材提供をしますが、太陽という自然エネルギーを利用するしくみなので、それが活かせるような建築でなければ効果が発揮されませんから、エアコンを取付けるような安易な考え方での採用は期待外れになるだけです。「陽のまどの設計」をお読みいただいた上で、計画中の建物の設計に反映して下さい。ご不明な点がある場合は、お問合せいただければお答えします。
未来の人たちのために
「持続可能な社会のために!」などとよく言われますが、持続可能とはどれくらいの時間の事を言うのでしょう?10年先でしょうか?あるいは20年先のことでしょうか?
現在の便利さ、快適さは、たくさんのエネルギーを消費することで成り立っています。持続可能な社会をつくるためには、大量のエネルギーが必要で、それと同時に私たち一人ひとりが、エネルギーの使い方を考え、改めていかなければならないでしょう。永久的に化石燃料に依存し続けることは難しく、私たちの時代で使い果たしても良い権限は誰も持っていないのです。利便性や快適性を追い求める現代の暮らし方が、子供や孫たちの時代に大きな負担となってしまわないように、未来のことを考えたエネルギーの使い方をしていく必要があると思います。再生可能エネルギーと言われる中に太陽熱は、あまり重要視されていませんが、現実的に持続の実現性が高いのは、太陽熱利用だと思います。そのために陽のまどは、今だけではなく、未来の人たちのために役に立ちたいと考えています。
合同会社サンシャイン・ラボ






