木材乾燥に適する風向とは

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合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。

紀州サンウッド倉庫の計画で悩んだのが、集熱空気と循環空気の供給の仕方でした。太陽熱で温めた空気を倉庫内にただ吹き出して高温、低湿度の環境にすれば良いというだけでは不十分で、風向きや材への風の当て方が重要になると思っていました。流体シミュレーションなんて事が出来たら良いのですが、そんなものは持っていませんし、とりあえずファン吐出口の向きを勘で決めて、実測しながら修正して行くしかないと思い下図のように配置してみました。

集熱空気を取り入れるためのソーラー用ファンボックスが4台、上昇した暖気を建物上部で吸い込んで地上レベルに戻してやる循環用ファンボックスが4台の計8台のファンで空気を動かします。
木材をファンボックス間近に置かれる可能性があるので、ファンの吐出口は外壁に沿って吹き出すようにしました。また吐出口のダクト先端を下向きにして、集熱空気が床に触れつつ壁伝いに上昇するようなイメージで計画しました。

果たして想像したように空気と熱は広がってくれるのか、不安を感じながら運転を開始しました。
以下はKATALYST・佐塚さんから提供していただいたサーモカメラの画像ですが、ソーラー用ファンボックスの吐出口を出た集熱空気は床上を進み壁伝いに上昇している様子が分かります。

これらの画像を見る限りは、イメージしたような熱と空気の流れが出来ているように感じているのですが、果たしてこれが木材を乾燥させるのに適切かどうかは今後の実測の結果によります。
那智勝浦がもう少し近いと良いんだけどなぁ。そしたら毎日木材の変化を観察して、いい塩梅の風向を見つけ出すんだけど… やはり片道6時間の壁は厚いです。