木材乾燥庫に泊まってみた

ヒノムくんの日常ブログ

おいしい建築研究所 研究員のヒノムです。

今回の紀州サンウッド倉庫への出張は、当初は適切な実測が出来ていることを確認したら帰る予定でした。ところが所長が何を思ったか「一晩ここに泊まってもいいですか?」と瀧岡さんに宿泊の許可を求めたのです。
その理由を訊ねたところ、紀州サンウッド倉庫の送風を24時間連続運転させる事にしたが、夜間に外気を取り入れ続ける事がどのような感じになるのかを身をもって体感したいからとの事でした。正直「そこまでやらなきゃダメなの?」と思いましたが、木材は「暑い」とか「寒い」とか、ものが言えないから人が判断を誤ると商品にならなくなってしまう。太陽が出ている時間の温熱環境は想像が出来るけれど、夜間や天気の悪い日にどのような環境になるのか体感しておきたいのだそうです。という訳で僕も一緒にお泊りすることになりました。

ところで何処で寝るの?と思ったら何と青トラの荷台!
ホームセンターでレジャー用のクッションシートと一番安い寝袋を買ってきて、青トラの荷台に敷きました。
倉庫内は昼間の太陽の熱がしっかり残っていて暖かいので、ここで寝ることに不安はありませんでしたが、朝までにどれくらい温度が下がるか?この薄い寝袋だけで大丈夫か?などワクワク、ドキドキものの一晩が始まりました。

実際に泊まってみて、真夜中に喉がカラカラになり2度ほど起きて水を飲みました。木材乾燥庫ですから乾燥するのは当然の事ですが、人間には厳しいかな。真夏ならば干乾びていたことでしょう。(汗)
寝始めの頃は、室温が23℃くらいあって暑くも寒くもない丁度いいくらいでしたが、朝方(午前5時頃)に少し寒いと感じて目が覚めました。寒いといっても18℃くらいですから大したことではありませんけどね。倉庫全体がほぼ一定温度というのは、内圧が高いので外からの冷気が入りにくいからと思われます。
自分達が体感した温湿度がどのようなものだったのかをデータを吸い上げて確認してみました。↓

一晩中外気を取り入れ続けたけれど、それによる極端な室温低下は見られませんでした。冬至~大寒の頃には、もっと気温が下がると思いますが、それが室内環境にどのような影響を及ぼすか注意して見ていきたいと思います。
湿度も屋外と比べれば低く推移していました。でも少しずつ上昇してきたのは所長と僕が寝てたから?

今回の実測では、乾燥庫内に保管される木材と屋外で天日干しされる木材の乾燥具合の比較を行っています。乾燥庫出入口のすぐ脇に置かれた木材がそれですが、触ってみるとしっとりしていました。どれくらいの含水率なのか僕の手では判断できませんが、庫内保管のものとは明らかに違います。次回までにMy含水率計を用意しようと思いました。

今回は所長の急な思い付きで紀州サンウッド倉庫に泊まることになりましたが、なかなか良い体験でした。青トラの荷台は背中と腰が痛かったですけどね。興味のある人を募って「木の気分を味わおう!体験お泊り会」をやってもいいかも。夏と冬は絶対にやめた方がいいですけどね。(笑)