合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。
建築家の奥村昭雄先生が設計された「星野山荘」と言えば、空気集熱式ソーラーに関わりのある人なら皆さんご存知の建物ですね。私も二十数年前の事ですが、軽井沢で開催された「OM夏の学校」でこの建物を見学しました。この時は吉村順三先生の軽井沢山荘やアントニン・レーモンドの作品などを 見学する事が出来る幸福感たっぷりのイベントでした。当時の私はOMソーラー協会に勤めていましたが、各見学会場に案内係としてOMのスタッフが配置され、私は吉村山荘の担当だったので丸一日あの名建築の中で過ごす事ができてダブルで幸福感を味わいました。
星野山荘Ⅱ
奥村先生が設計された星野山荘に隣接して新たな建物が建築中です。「星野山荘Ⅱ」と呼ばれるその建物は、設計が奥村先生の愛弟子の武山倫さん。施工は軽井沢の工務店で1964年に星野山荘の施工を担当した土屋繁工務店さんの手で進められています。これに陽のまどを採用していただいたので、集熱面の施工に立ち会いました。
星野山荘までは車が入れるのですが、施工現場はそれより一段高い所にあって四輪駆動車でなければ接近する事が難しい急坂を登らなければならないので、結局坂の下から集熱パネルを1枚ずつ手で運ぶ事になりました。そしてパネルにロープを掛け、足場に固定した脚立に沿わせながら屋根上に引っ張り上げます。男4人での作業でしたが、まもなく59になろうとしている私が最年少というメンツなので、なかなか大変でした。
無事に横型集熱パネル4枚を設置しました。
今回の陽のまどの採用は、暖房というより冬季の設備配管の凍結防止が主な目的なので、ファンもダクトも全てが露出で設置されるのだそうです。狭い小屋裏空間でのダクティングは、かなり厳しい制約があったので、電動ダンパーを内蔵した特注のボックスで対応することにしました。
集熱パネルから屋根を貫通して室内に通じるダクト接続ボックスの側面に電動ダンパーを内蔵した特注ボックスを上の写真(実際は上下逆です)のようにドッキングさせる事で最小限のスペースでダクティングできるようにしました。
集熱面の工事が無事に完了したところでお待ちかねの星野山荘を見学しましたが、これについては次回報告したいと思います。