青トラ訪問記14 職人さんの汗と夢

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合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。

先日、10年ぶりくらいに昔なじみの工務店さんを訪問しました。静岡県藤枝市の「育暮家ハイホームス」さんです。これまで電話やメールでのやり取りはありましたが、会社を訪れるのは久しぶりの事でした。
まだ「陽のまど」とか「びおソーラー」なんて呼ばれるよりもずっと前、現行仕様の集熱パネルやファンボックスが誕生して間もない頃に事務所に導入していただき、かなり長い期間、実測調査を行っていたので、この事務所にも月1くらいで通っていたのですが、随分ご無沙汰をしてしまいました。

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育暮家ハイホームスさんとは、OMソーラー時代に知り合って以来のお付き合いでして、先代社長の杉村さんとは現役時代も引退後も変わらずに懇意にして頂いています。今回は杉村さんが現在取り組まれている「職人さんの汗と夢」という絵本づくりのお話を聞きに来ました。

絵本「職人さんの汗と夢」

杉村さんが現役で工務店の社長をしていた頃、家づくりに協力してくれている職人さんたちが高齢化や後継者がいない事を理由にどんどん廃業していってしまう現状を見て「このままでは自分たちが望む家づくりが出来なくなってしまう」と危機感を覚えたそうで「職人になりたい人を増やしていきたい」という思いから、現役引退後に絵本を通じて職人さんの技術や仕事ぶり、そして魅力を職人さん家族の日常を通して描き「職人」という仕事にもっと関心を持ってもらおうという活動を始められました。

職人さんの汗と夢

↑ 杉村さんがつくられた絵本です。
「お父さんの汗」は左官屋さんの仕事を紹介するお話。「お父さんの色のイロハ」は塗装屋さんのお話で、杉村さんの職人さんへの想いに共感してくれた方たちがボランティアで挿絵を提供くださっているのだとか。
制作にあたってはクラウドファンディングで協力を募り、私も1口参加させていただいています。現在は上記の2冊に加えて畳屋さん編が完成しており、絶滅が危ぶまれる職種を先行して制作を進めているとの事でした。

ご丁寧に英語訳版も用意されています。

以前、大手ハウスメーカーの家をリフォームした際に施主さんが「大工さんってすごいですね!」って言われていた事を思い出しました。ハウスメーカーで新築した時には現場を見る機会もなく、どんな人が自分の家をつくってくれているのかも知らなかった。全て用意されたカタログの中からモノを選ぶだけだったのだけど、今回のリフォームでは大工さんの仕事ぶりを間近で見て「大工さんって、こんな事が出来ちゃうんだ!」と驚かされたと話していました。家を自動車や家電品のような工業製品と同じように捉えている人が大多数だと思うのですが、家は人の手で一つずつ作られるもの。そこには作った人の想いや人間性などが形になって表れていると思います。だから良い家が欲しいなら職人さんたちが笑顔で働けるようにしてあげる事が一番大事だと思うのです。
杉村さんが成し遂げようとされているこのプロジェクトに私も出来る限り協力していこうと思っています。

設置されてから12年が経過していますが、ダクトの中を暖かい空気が流れている事が手の平から伝わってきました。しっかり集熱出来ているようです。ファンも元気そうな音で動いていたので、まだまだ活躍してくれることでしょう。

そうか… 私も絶滅危惧種の職人かもしれないなぁ。杉村さんに絵本にしてもらおうかな。