リコールって大変だ

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合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。

自動車メーカーが、自社の製造販売した車に不具合があった場合にリコールをかけますよね。私もこれまでに2度ほどリコールのハガキが届いてディーラーに車を持って行った事があります。そのまま乗り続けると命に係わる重大なトラブルにつながる恐れがあるという事ですから、しっかり検査して修理・修正してもらう必要があります。

今回「陽のまど」でも、こちらの不手際でお客様にご迷惑をお掛けするようなミスがありました。命に係わる重大な…というレベルではありませんが、適正な動作をしない不具合を発生させてしまいました。

「ソーラー+室内循環」

昨年末のことですが、完成・引き渡し間近の現場から「陽のまどの動作がおかしい」との連絡を受けました。その建物には「ソーラー+室内循環」が採用されていたのですが、「循環」が動作しないという事なのです。

陽のまどの「ソーラー+循環」は下図のような仕組みになっていて、お日様が出ている間は集熱空気を取り入れ、日が沈んでソーラー運転が終わると室内循環に切り替わり、常に空気を動かし続けるというものです。ファンは1台でソーラー用と室内循環用の2つの電動ダンパーを電気的に操作することで流路を切り替えます。

シンプルを是とする「陽のまど」においてはかなり複雑系なのですが、薪ストーブなどを使用されるお家などではたいへん有用に働いてくれるので、これまでに多くの採用をいただいています。

不具合の状況

上記のシステムではソーラーの「主電源」と「循環」を「入」にしておくと、お日様が出て温度が上がれば集熱空気を取り入れ、日が出ていなければ室内循環が働きます。その際に上図左上のパイロットランプが点灯するのですが問題が報告された現場ではこれが点かず、ファンも動作しないとの事。また2つの電動ダンパーが同時に開いてしまっているそうで、日が出ている時でも暖かい空気が入って来ないとの事でした。

原因として誤配線の可能性が高いことが考えられるので、すべての配線を確認して貰ったのですが、施工要領書の結線図通りになっているとの事でした。こちらでも試験機で様々な誤配線を行って同じ症状が出る状態を再現しようと思ったのですが、その中で施工要領書記載の結線図に誤りを発見し、試験機で試してみたところ現場からの報告にあった通りの不具合が起こりました。

正しかったはずの結線図がなぜに誤ったものに変わってしまったのか記憶が定かでないのですが、これが今回の不具合の原因でした。昨年は「ソーラー+循環」を選ばれたお客様が多かったので、その施工者様にメールで正誤表と誤りの確認方法を送り、お詫びの電話連絡を行いましたが、まだ施工途中のところがほとんどだったので、エンドユーザーにご迷惑をお掛けする前に訂正することが出来たのは幸いでした。現在は間違っていた技術資料等の訂正は終わっているので、このような誤配線は起こらないと思います。

不具合の報告があったお宅でも適正動作をするようになりました。それから1カ月が経ったので、その後の様子を伺ったところ暖かい空気が入ってきて大変満足されていらっしゃるとの事でした。引き渡し時にはまだ原因がつかめおらず、日が出ていても暖まらない状態で年を越していただいていたので本当に申し訳なかったのですが、何とか解消できて安心しました。

人間がやっている限りミスはなくならないと思いますが、そのあとの対応が重要ですよね。弊社の場合は、他人のせいには出来ず自分自身の気を引き締めてやって行くしかないので、戒めのためにブログにて報告する事にしました。