合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。
5月初旬に宮城県の登米町森林組合を訪問して、太陽熱木材乾燥庫「ToSMS」の送風機の異音を調査しましたが、寿命と判断して、ファンユニットの交換を行う事にしました。
集熱用ファン4台と循環用ファン4台の計8台のファンユニットを青トラに積んで、東京から常磐道を北上。途中に放射線量の表示がありましたが、昔に比べると数値が小さくなったなと思いました。2018年頃に東京ー仙台間を2往復しているのですが、その頃は2.7μSV/hが最大値でしたが、現在は0.1~1.7μSV/h。人家の明かりも見られるようになって、少しずつ復興が進んでいることを感じます。ただ人の世界は、これで良いのかもしれませんが、避難することができなかった動物や植物、土壌などに悪い影響を与えているのではないかと不安に感じてしまいます。

石巻で前泊して、朝一からToSMS入りしました。2日間の予定でファン8台の交換作業を行います。前回訪問した際に状況と段取りを確認していて、事前に準備できるものは浜松で形にしてきているので、あとは淡々と作業を進めるだけ…なのですが、すごくいい天気になってしまったせいで、ToSMS内の温度が上がってあつい、あつい!
汗びっしょりになりながら、時折意識が朦朧としながらの作業となりました。

写真のファンボックスを設計したのは2012年頃だったと思います。私は「分解」を常に意識して設計しているので、問題なくファンユニットを交換することができました。

ファンボックスのケース内には、長年の砂埃等が堆積していたので、まずはこれらを綺麗にクリーニング。傷んだ断熱材やクッション材を補修してから新しいファンユニットを取付けます。


元々はソーラーと循環を切り替えるための電動ダンパーが備え付けられていましたが、現在はこれを使用していないとの事なので、モーターを取り外して金物でダンパー板を固定しました。


マイコン仕様の制御盤を撤去して、モーター直結の電気配線に切り替えます。


2009年につくったマイコン仕様のコントローラ。どこにも不具合なく運転出来ていたので、ちょっと勿体ない気がしますが、次にトラブルが出るとすれば制御盤だと思うので、この機会に交換しましょう。しかしこのような過酷な使用環境の中で、よくこれまで頑張ってくれたと思います。


2日かかりましたが、何とか無事に8台のファンユニットを交換することができました。これからまた12年くらいは問題なく働いてくれる事でしょう。でも次の更新の時に私が作業に来れるかは???。だって70を超えるからなぁ。
とりあえず浜松に戻ったら取り外したファンユニットを分解して内部の様子を確認しようと思います。現在稼働中の和歌山県那智勝浦町の紀州サンウッド倉庫のファンも同じ仕様なので、十数年後には同様の症状が発生することでしょう。壊れ方を知っていれば事前の対策も取りやすいですから、今回の経験を活かせるようにしたいと思います。
さて今回の出張における走行距離ですが、ぴったり1500kmでした。青トラもよく頑張ってくれて、ついに18万キロ超え!まだまだ元気に働いてもらわないといけないので、週明けにオイル交換してあげようと思います。