ToSMSのファンを分解してみた

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合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。

梅雨入りしましたね。本日は施工指導の予定があったのですが、天候不良という事で施工が延期になりました。早く集熱パネルを設置して屋根を葺き上げたいところですが、雨ではどうしようもありませんね。
そんな訳で今日はToSMSから持ち帰ったファンを分解してみることにしました。

集熱ファンの分解

まずは集熱ファンから分解してみます。集熱ファンはPanasonic電工のFY-19CG1型シロッコファン(200W)を使用していますが、5月初旬にToSMSを訪れた際に発生していた「異音」を再度確認してみました。

ファンボックスに組み込まれた状態とファン単体では運転音の質が違いますが、滑らかさのないカサカサというか、キュルキュル音がしています。とりあえず分解できるところまでバラバラにしてみましょう。

端子台ケースの内側が飛び散ったグリスで油まみれになっていました。虫も入り込んでいます。

ファンモーターから端子台につながるケーブルにもグリスが付着しています。

モーターのシャフトが茶色くなっていますが、これは錆ではなくて油が固まったものでした。本当はホイールを外して、モーター内部を見たかったのですが、どうしてもこれを取ることが出来ません。でもこれらの状況からモーター軸部に封入されていたグリスが周囲に飛び散っていることは明らかです。

ToSMSでのファン交換作業時に集熱面から雨漏りしていたのでは?と思われる形跡を見つけました。その影響がダクトからファンボックス内部にまで滲みてきていたようだったので、その位置に設置されていたファンボックスも分解してみました。

上の写真ではモーターケースが上向きになっていますが、ファンボックス内では下向きに設置されていました。ダクトから伝わってきた雨水はファンボックス内に浸入し、ファン固定金物の部分で堰き止められて溜まっていたようです。亜鉛メッキ鋼板製の筐体から亜鉛が滲み出しているので、ここに水があったことは間違いありません。森林組合の方の話では、過去に集熱面から雨漏りした事があったそうで、この腐食はその時のものと思われます。

循環ファンの分解

続いてToSMS内に設置されていた循環ファンを分解します。こちらは異音の発生はありませんが、風量の衰えが気になるとの事でした。

循環ファンは、Panasonic電工のFY-17CG1型シロッコファン(100W)を使用しています。全体に細かい切粉のような埃に覆われていますが、集熱ファンのようにグリスが飛び散ったような形跡はありませんでした。
ファンの風量も正式に計測はしませんでしたが、極端に衰えているようには感じませんでした。しかしホイールに長年の埃がたっぷり固着していますから、間違いなくパワーダウンしているでしょうね。

ToSMSのファンは、かなり過酷な環境の中で使用され続けてきたので、このような感じになっていますが、一般住宅であれば、ここまで劣化する事はないでしょう。私が独自の空気集熱式ソーラーを始めてからこれまでに住宅に提供したファンで、まだ交換したものは無いのですが、古いものは16年くらい経ちますから、そろそろ寿命を迎えるものがあるでしょう。お客様が望まれるのであれば、ファンユニットを交換することは可能です。陽のまどに限らず、空気集熱式ソーラーの家では、送風機が空気を動かし続けなければ建物を健全な状態で維持する事ができませんから、もしファンに異常を感じたならば、そのまま放置せずに弊社にご相談ください。