おいしい建築研究所 研究員のヒノムです。
10月に開催される「ケケケの元気マルシェ」に向けて、展示物をつくっているという事をブログに書きました。
今日は、これまで作ってきた架台に集熱パネルを取付けて、実際のおひさまの下で集熱効果を感じることができるか、試運転しにきました。


以前のブログでボカシを掛けていた部分は、イタリア・ローマにある「真実の口」でした。映画「ローマの休日」で有名な嘘つきが口に手を入れると嚙み切られるという伝説のあれです。
「太陽の暖かさ、偉大さを感じてもらえるような展示を」というのが所長からの注文でしたから、あれこれ考えていた時に目にしたのが、ゲーセンにあった「真実の口」の占いでした。↓

「正直者が手を入れると太陽の恵みを受け取る事ができるけど、嘘つき者が手を入れると凍りつく!」なんてどうだろう?所長も「面白い!」と言ってくれたので、これを形にしてみることにしました。
問題は「真実の口」をどうやってつくるか?です。最初は粘土や石膏でつくろうと思い、参考にするために神奈川県の小田原駅近くの小田原東通り商店街にある「真実の口」を見に行ったりしました。↓

「う~ん、これをつくるのは大変だなぁ」という事でネットで使えそうなものはないか探していたら、ジグソーパズル(直径70cm・1000ピース)の真実の口を発見!これは使えそうだと思い、さっそくポチりました。
だけど僕はナマケモノなので、このパズルを期日に間に合わせて完成させることは無理と思い、助っ人をお願いしました。所長の知り合いの息子さんが、1日2時間を週2~3日のペースで事務所に来てくれて、約1ヶ月かけて完成させてくれたんですよ。K君、ありがとう! 助かりました!!

口の部分に穴を開けて手が入れられるようにしてから、架台に取り付けました。
問題は、暖かい風を指先で感じてもらえるかどうか?です。
テストした日の外気温は、手元の温度計で29℃。日射しが強いですが、緩やかな風もあって気持ちの良い天気でした。時間はお昼12時です。
ファンは、青トラのシガーライターソケットにDC-ACインバーターをつないで動力源としました。倉庫に転がっていたメーカー不詳のプロペラファンなので、どこまで吸気できるかわかりませんでしたが、口に手を入れると、しっかりと風を感じます。
展示用に特注した横型集熱パネルを設置角60°の架台に取り付け、集熱運転開始です。。
運転開始から3分ほどで「熱い!」と思える風を指先が感じました。風速・風温計を口から挿入して温度を確認したところ、どんどん上昇してあっと言う間に60℃を越えました。


「凄いぞ、太陽!」「凄いぞ、集熱パネル !!」 居合わせた関係者は、みんな太陽の熱さを指先で感じたようです。
本番は1ヶ月半後なので、今日の太陽とは位置が異なりますが、太陽高度が下がってくるので、60°にセットされた集熱パネルとの応答性は良くなるかと思います。とりあえず実験は成功でした。(祝)
「il sole vero(真実の太陽)」は、一応上手く行きましたが、大きな課題がひとつ。
「真実の太陽」により太陽の熱さ、偉大さを感じてもらう事は出来ますが、これが建物全体になった時にどうなるのか?をイメージしてもらえるかどうかは、何とも言えないということです。指先が熱いのは分かったけど、家全体になった場合はどうなのだろう? そこが一致するかどうかは、なかな難しいかもしれません。でも「太陽熱を暖房に利用する仕組みです」と説明しても「太陽熱なんかで本当に家が暖まるの?」と不信がられる方も多いですから、まずはギュっと凝縮した太陽熱のパワーを体感してもらう事が、第一かなと思っています。
10月25日「ケケケの元気マルシェ」に登場しますのでお楽しみに!