青トラ訪問記-29 石巻の家

ブログ味を究める

合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。

朝夕、とても過ごしやすくなりましたね。
空が秋らしい感じになってきました。私は「常秋の国」に住みたいと思っているので、この季節は大歓迎です。そう言えば先日は「秋分の日」でしたね。いい天気に恵まれて、絶好の行楽日和でしたが、私は急な依頼で宮城県石巻市まで出張になってしまいました。さすがに青トラで浜松⇔石巻の日帰り往復は無理なので新幹線利用です。

萬画の街・石巻へ

始発の東海道新幹線で東京へ出て、東北新幹線で仙台へ。そこから仙石東北ラインで石巻へ向かいます。仙台ー石巻は、仙石線だけかと思っていたのですが、仙台から塩釜まで東北本線を走り、その先で仙石線に入るルートもあったのですね。初めての乗り物が好きなので、ワクワクしてしまいます。
仙台駅1番線で待っていると入線してきた列車は、なんとカラフルだ事!車体側面に仮面ライダーやサイボーグ009などが描かれていました。漫画家の石ノ森章太郎さんは登米の出身で、石巻に記念館があります。(昔、行ったなぁ)
私が子供の頃にテレビでみた漫画と言えば、手塚治虫、赤塚不二夫、藤子不二雄、永井豪、そして石ノ森章太郎の作品でしたね。友達と仮面ライダーごっこや、ゴレンジャーごっこをしたものです。
懐かしいキャラクターが描かれた列車に乗って、石巻へと向かいました。

石巻駅前では、サイボーグ002と003がお出迎え

石巻の家

この建物は、単なる古民家改修物件ではありません。建物の半分は、この敷地内にあった築100年の蔵の骨組みを利用していて、残りを新築するという難しいことをやっています。
蔵は、現在建築中の建物のすぐ北側に建っていた(↓赤枠の位置)ものだそうで、丁寧に解体して移築され、新たに蘇ろうとしています。設計は、建築家の松澤穣さん。施工は、地元の大工さんの手によります。

松澤稔 Architect & Associates – 松澤穣建築設計事務所

今回の建物の図面を見た時に「蔵?」と思いましたが、実際に来てみて納得!
お施主様の強い思いがあっての事でしょうが、なかなか手間のかかる仕事です。

側面吸気仕様の集熱パネル

今回の集熱面は、設計者の希望により「側面吸気仕様」が採用されました。一般的には下面吸気仕様が使われていて、屋根通気層とつないで外気を取入る事が多いのですが、壁面集熱などの場合に集熱パネルの側面に吸気口を設けた仕様を使うことがあります。今回の集熱面の納まりは↓のようになっています。

逆光で分かり難いですが、棟下地の木材間の集熱パネル側面に吸気口が設けられています。重要なのはパネルの水上側で雨が漏ってしまうと、雨水がパネル内に入ってしまうので、この部分の防水対策をしっかり行わなければなりません。集熱パネルの設置までは、松澤さんと大工さんで行われたのですが、その後の屋根の納め方や防水の考え方、室内に設置するファンボックスやダクティングについて教えて欲しいとの事で、今回訪問させていただきました。
移築された蔵の部分が、最終的にどんな感じで仕上がるのか、機会があれば是非見てみたいです。