合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。
今年最後の出張先は、徳島県の佐那河内村で建築中の住宅に陽のまど部材をお届けし、集熱パネルの設置工事に立ち会う事でした。移動の様子はヒノム研究員がブログに書いていますのでここでは省略しますが、今回は物量が多かったのでなかなか大変でした。納品&施工指導の前日は、久しぶりに神山温泉に泊まり、大きなお風呂でガチガチに凝り固まった身体を癒しました。朝食の大きな味噌汁も楽しみの一つ。何とか今日の施工指導がこなせるくらいの体力を回復させることができました。
ホテルをチェックアウトし、現場へ向かおうと思ったら、霜が降りて青トラのフロントガラスが凍っていました。浜松では滅多にない事なので、珍しいと思って写真を撮ってしまいましたが、この解氷で10分のロス。でもこの感じでは、現場の屋根も夜露で濡れていて、設置作業が出来るのは昼近くになりそうだな。




久しぶりに神山町の町営住宅を遠目から眺めました。午前8時過ぎでは、まだ日陰です。このプロジェクトには「びおソーラー」を採用していただいたので、毎年打合せのためにここに来ていました。板張りの外壁もかなり落ち着いた雰囲気になってきたように感じます。
青トラ訪問記・大埜地集合住宅(徳島県神山町) | 奥村(びお)ソーラー
佐那河内村の家
佐那河内村の家は、徳島市の工務店(有)高源組さんの設計、施工で建築されています。1年ほど前になりますが「お施主様が「びおソーラー」の導入を希望している」というお問合せがあり、私の方でシステム計画の対応をさせていただきました。その後にびおソーラーの販売が終了となってしまった為、そのまま陽のまどとして引き継がせていただいたのですが、これまでにやった事のない納まりと部材設計を経験することになりました。
有限会社髙源組|創業明治三十八年の老舗総合建設業会社



この家は、以前のブログで書いた特殊な屋根形状を持つ建物です。南北に3寸勾配で下る切妻屋根なんだけど、棟が西から東へ1寸勾配で下っているというもの。屋根の仕上げは嵌合立平葺きなので、この上に架台を組んで集熱パネルを設置する方法を提案しました。
私が現場に到着した午前8時半の時点では、まだ屋根に日が当たっておらず、夜露でびしょびしょに濡れていて、すぐに作業が始められる状況ではありませんでした。9時過ぎ頃から日が当たり始めたので、今回の工事で一番不安に思っているダクト接続ボックスの工事を行いました。



嵌合立平葺き屋根の中に開口を設けて、そこにボックスを落とし込む形なので、垂木や断熱材との干渉部分を調整しながら、何とか上手く取付けることができました。寸法も角度もバッチリで、祝杯をあげたい気分ですよ!


嵌合立平葺き屋根上に架台を組みます。集熱パネルを載せるためのレールの高さとダクト接続ボックス上面に取り付けた接続アタッチメントの高さが揃っていることを確認します。


施工中に気付いたのですが、お昼12時のタイミングで集熱パネル設置予定位置に大きな陰が出来ていました。その原因は南の山の中腹に立つ1本の高い木。冬至なので陰が長く伸びるから仕方がないけど、お日様パワーが最大になるこの時間に陰の影響を受けることになるとは想像していませんでした。知っていたらもう少し西か東に配置するんだったけど、立下りダクトの位置を指定されてしまったから、この状況も仕方がないか。



棟と嵌合立平葺き屋根材が直角ではなく、わずかに東に振れていた為、棟に平行に架台を配置すると集熱パネルがレールから外れてしまうという状態になってしまい、この修正にかなり時間を取られてしまいました。集熱面が完成した時点(15時半頃)で屋根は完全に陰で覆われてしまい、山間部では日照時間が短くなってしまうことを改めて実感しました。床面積40坪の家の場合、通常は集熱パネル5枚くらいで計画するのですが、今回は集熱パネルのみでの集熱になる事と日照時間の短さから、得られるときにできるだけ多くの集熱が出来るようにしようと考えて、集熱パネルを7枚にしてみました。果たして期待通りの効果が得られるかどうか、不安であり、楽しみでもあります。
不安に思っていた二勾配に対応したダクト接続ボックスも上手く納まってくれたので安堵しました。これで良い年が迎えられそうと思いながら現場を後にしました。次の目的地は和歌山です。

