青トラ訪問記-3 雨漏り原因を探る

ブログ味を究める

合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。

連日暑い日が続いてますが、みなさん体調はいかがでしょうか?
うちの事務所は天井からの輻射熱がすさまじくて、最新のエアコンですが冷房が効きません。
「頭熱足寒」な温熱環境で仕事をしてます。
お盆を過ぎれば秋の気配が感じられるはず…ですが、台風も来てないし、この灼熱地獄はまだまだ続きそうです。

ブログもしばらく間が空いてしまいました。
毎日投稿している方は、本当にすごいと思いますよ。私も決してサボっていた訳ではなくて、このところ忙しくて、どうにも時間のやり繰りができない状況でした。
少し落ち着いたのでまた再開したいと思いますが、先日雨漏りの原因調査に行ってきたので現場の様子をお伝えします。

雨漏り調査

今月初め、2020年に竣工した物件で雨漏りが発生しているとの連絡が入りました。場所は山梨県甲府市。雨漏りは昨日今日始まった訳ではなく、かなり前から漏れていて、その都度調査してきたのだけれど原因が特定できていないとの事。棟周りやトップライト周りなど怪しい部分を虱潰しに当たってきて、最後がびおソーラーの集熱パネル周りという事で立会いを求められた次第です。
昨年から今年にかけて原因不明の雨漏りに悩まされ続けた物件があって、この時の経験から原因を予想してもいいけど、過度な先入観を持って現場へ行くと判断を誤るという事を学びましたので「無心」で行くことにしました。
とは言っても現場までの道中は、集熱パネルからの浸水の可能性についてあれこれ考えてしまいましたが…

塩島邸
集熱面の様子
塩島邸
流れカバーと水下側のガラス押えアングルを外したところ

施工者の見立ては、水下側のガラス押えの隙間から雨水が浸入して水切りの裏から屋根材とルーフィングの間に伝わっているのではないか?というものでした。ガラス押えアングルを取り外すと水と共に入った砂埃がシール材に付着していましたが、ここから入った雨水は、ガラス押えアングル裏を通って排出される構造になっているので、即漏水につながるとは思えません。(下図)

水下側雨水処理

漏れた水の量から考えて、もっと大きな隙間があるように思われますので、調査範囲を水上側まで広げてみました。

おや?部品が足りないぞ

集熱パネルの連結部には、現場で埋めなければならない隙間があります。水上側の棟包みとの取り合い部分に取付ける止水板とパネル本体との間に生じる隙間を防水テープ付きの部材(連結水切り(水上))で塞いでもらい、その両側にできるピンホールをコーキングでシールするという事をお願いしています。

集熱パネル 防水の考え方
「集熱パネル 防水の考え方」より

この部品の取付けを忘れたり、付け方を間違えたせいで雨漏りした事例がありました。パネルの裏にまわろうとする水をしっかり食い止めなければならないので、この部品はとても重要なのです。

塩島邸

この現場では、連結水切り(水上)の向きが間違っていて隙間が塞がっていませんでした。上部に流れカバーが取付けられるとは言うものの完全密閉ではないので強い風雨を受ければ浸水します。実際に雨水と一緒に入った砂埃等が残っていました。これだけが原因かどうかはわかりませんが、まずはこの隙間を塞ぐ事をお願いしました。
これで雨漏りが解消されるならば簡単な話なのですが …

連結水切りを取付ける意味を理解していただければ間違いは無くなると思います。ここだけは製品でカバーできない部位なので、注意して施工して下さいね。