夏と冬の結線間違いにご注意を!

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合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。

最近、報告があったトラブル事例をご紹介します。
今年の夏前頃から陽のまどの家に暮らし始められたお客様は、「陽のまど」+「循環」を採用されました。

これまでは時期的に「夏」と「循環」のスイッチを「入」にして過ごして来られたのですが、11月に入ってから「循環」を「切」にして、季節スイッチを「冬」に切り替えたところ、夕方5時頃からファンが運転を開始し、次の日の9時半過ぎに停止したのだとか。「これは正しい運転なのか?」との問い合わせをいただきました。お客様からの説明だけでは、詳しい施工状況が分かりませんから断定はできませんが、この動作は明らかに「夏用温度スイッチ」によるものです。「循環」を使用していると、ファンは連続運転になるので、操作スイッチのパイロットランプを注視していないと、太陽熱を取り入れているのか、室内空気を循環させているのか判別できませんが、夜間の低い温度域(30℃以下)でファンが運転しているというのは、夏用温度スイッチの動作範囲に他なりません。

・冬用温度スイッチ:パネル内温度25℃以上でON、20.5℃以下でOFF
・夏用温度スイッチ:パネル内温度30℃以下でON、34.5℃以上でOFF

つまり電気配線をまとめている端子ボックス内の「冬端子」に「夏用温度スイッチ」、「夏端子」に「冬用温度スイッチ」が接続されていたものと思われます。或いは、操作スイッチへの「夏/冬」の結線が逆だったのかもしれません。どちらにせよ気温が下がってきたこの時期に昼間は停止していて、夜間に外気を取り入れる運転をしていたのでは、部屋の中が寒くなってしまいます。この手の間違いは、最近少なくなってきたと思っていたのですが、なかなかゼロになってくれません。今回は「循環」機能が付いていたので、これを「入」にすると、とりあえずファンが動くから「機械に問題なし」と思ってしまったのでしょう。本当は試運転マニュアルに沿って「夏」と「冬」が正常動作することを確認してから引き渡して欲しかったのですが、全ての理屈を分かって施工している人ばかりではないので、なかなか難しいです。

製品に同梱している施工要領書には、↓の誤配線事例集が添付されているので「動作が変かな?」と思ったら、この資料を見て下さい。陽のまどは、お日様にのみ従って動きますから、その制御は至ってシンプルです。機械も単純な構造で壊れる部分も少ないですから、機械のトラブルを疑う前に結線ミスの有無を確認しましょう。

正しい動作の確認方法

お客様から「動作がおかしい」と言われて現場へ駆けつけた際の確認方法です。
基本的に太陽の日射をしっかり受けている晴天日の昼間の時間帯に行ってください。
春や秋は「冬」/「夏」どちらのモードでも動く時がありますから、昼前後の最も太陽が高い時間帯に確認しましょう。この作業を怠ると後日お客様に迷惑をかけることになりますから、必ず動作確認を行ってから引き渡すようにして下さい。

今回のお客様に対しては、電気工事を行った業者さんに現地へ行って配線を確認していただきました。やはり「冬」と「夏」が逆接続されていたようで、これを修正することで正常動作に戻ったようです。とりあえず安心しました。