ToSMSのコントローラ

ヒノムくんの日常ブログ

合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。

前回はToSMSから戻ってきたファンボックスを分解して劣化状況を確認しましたが、コントローラとパワーユニットも持ち帰ったので、これらの状態も確認します。

左がシステムの操作や温度表示等を行うコントローラ、右がファンや電動ダンパー等を動作させるためのパワーユニットになります。これらのハードは、今から16年前の2009年に設計したものです。コントローラは、オーディオアンプみたいな感じにしたいと思って、ステンレスのヘアライン仕上げにしたのですが、組み立てるのが結構大変で量産には全く向かないものになってしまいました。でも自分的には結構気に入っているのです。
OMソーラーを退職し、既存の建物に対応できるソーラーを作りたいと思って、集熱パネルと送風機の仕組みを自分なりに考えて形にしたのですが、この頃はまだ前職時代の考え方が、自分の中にベッタリ染みついていたので、こんな表現になっていました。これを作った時代は「見える化」という事が言われ始めた頃だったので、大きな液晶画面に温度表示だけでなく、ゲーム的な要素もプログラムに組み込んでいました。太陽熱を利用する事で削減されるCO2をタンクに貯め、これを「陽のたね」と名付けた植物の種に与えてやると芽が出て、どんどん成長し、最終的に立派な樹に育つというタマゴッチ的なものでした。与えるCO2の量が多過ぎたり、少なかったりすると植物が枯れてしまうというお楽しみ付でした。この当時は、住まい手にいかに関心を持ってもらうかが大きなテーマだったので、こういった工夫をしていた訳ですが、このプログラムを最後までやり遂げた人っているのかな?たぶんいないだろうなぁ。メーカー側がこういう努力をしても、住まい手が興味を持って触ってくれるのは、最初の1週間だけで、すぐに見なくなってしまうものだという事もこの時に学びました。だから「陽のまど」では、こういう部分にお金と労力を使わないように、シンプルなスイッチだけにしたのです。

ちゃんと動くかな?

さて持ち帰ったコントローラとパワーユニットを結線して、電源を投入してみました。画面に問題はなく、綺麗に表示されましたが、温度センサーの通信に不具合があるようで「0℃」表示のまま、通信エラーが出ていました。現地では問題なく運転出来ていたので、手元にあった温度センサーが不良なのかもしれません。

液晶ディスプレイが熱でダメになって、もっと早くに交換することになるのではないかと思っていたのですが、現在でも綺麗に表示される画面を見ると嬉しくなります。こういう仕様の製品をまた作るという事は、私としては無いと思いますが、現在に至るまでに辿ってきた道中の思い出深いハードとして大切に記憶しておきたいと思います。