OMソーラー復活計画(その6)

ブログ味を究める

合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。

機能不全に陥っていたOMソーラーの家に暖かさを取り戻すべく、陽のまど流の改修工事を行った杉村さんの家ですが、「夜になってもファンの運転が止まらない」との連絡を受けました。
このような問い合わせは、陽のまどにおいては、春先と秋の終わり頃によく受けるので、過去にもこのブログで解説していますが、バイメタル式温度スイッチを使用している関係で人の感覚通りに動いてくれない事が、この季節にはよくあるのです。

季節の変わり目の「陽のまど」 – サンシャイン・ラボ

今回もそのような理由だろうとは思ったのですが、実際にどれくらいのズレが生じているのかを確認しようと思い、杉村さんにお願いして実測させていただく事にしました。

集熱状況を測る(2026.2.24~3.19)

今回は集熱温度の変化を確認するので、以下のように温度ロガーを設置しました。
1.外気温度
2.外気湿度
3.集熱温度
4.ファン出口温度
計測期間:2026年2月24日13:30~3月19日13:15

3月19日 13時頃の棟温度
計測データを回収中
ソーラーファンボックスの運転状況

計測期間中のソーラーファンボックスは、午前8時~9時半頃に運転を開始して、午後3時半~5時頃に終了するという状況で、報告のあった午後8時過ぎまで動いていたという形跡は見られませんでした。
実測に使用した温度ロガーとバイメタル式温度スイッチの反応が一致しているとは言い切れませんから、午後5時を過ぎてもファンが運転し続けていた可能性はありますが、棟温度とファンの出口温度の変化を見る限りは、大体前述の時間帯に運転終了となっていたものと思われます。
冬用温度スイッチは、周辺温度が25℃以上でON、20.5℃以下でOFFという仕様です。
下表は2/28のデータですが、棟温度の数値を見ると午前8時に17.8℃だったものが、8:15には33℃まで急上昇しています。これはこの15分間に棟温が25℃を超えて温度スイッチがONになり、ファンが動き出したことを表しています。ファンが運転すると集熱パネル内に出来上がっていた熱い空気が一斉に棟ダクトに流れて来ますから、ダクト内温度は一気に上昇します。時間と共に日射も強くなるので、集熱温度はどんどん上がって行き、お昼(南中)にピークを迎えます。この日は11:45に64℃を記録しました。

夕方に至って、17:15の棟温度は22℃で、17:30には19.6℃に下がっていますから、この辺りで温度スイッチがOFFになってファンが停止したと思われます。

ただ集熱運転が終了したと思われる17:15以降に4~5℃の温度上昇が見られました。(赤枠部分)
これは他の日でも同様のことが起きていました。ダクト内に溜まっていた熱が、じわじわと放熱してきているものと思われますが、ファンを再始動させるだけの温度には至っていないようです。

この日は、実に9時間も集熱運転が行われており、計測期間中の最長でした。また集熱温度が40℃を超えていた時間が6時間もありました。集熱運転時間は、建物、集熱面の向きにより大きく変わります。太陽との応答性を重視するならば真南向きがベストで、杉村さんの家もお日さまに向かって建っています。

太陽と建物の方位 – サンシャイン・ラボ

温熱三要素(集熱、蓄熱、保温)

測定期間中の天気と集熱運転時間、集熱温度が40℃以上の運転時間、その日の最高集熱温度とその時の気温をまとめました。×は天気が悪くて集熱運転が無かった日で、期間中に3日ありました。
40℃以上の集熱温度が4時間以上/日あると暖房に必要な熱量を得るのに有効とされているのですが、上記のように多い日もあればゼロの日もある訳で、これらを程よく調整してくれるのが、床下の蓄熱コンクリートです。もしこれが無かったら集熱量の多い時は室温が暴力的に上昇し、日が陰ると急降下するというような落ち着きのない室温になるでしょう。天気が悪い日があっても、急激な温度変化を与えない事が重要なので、快適な温熱環境をつくためには「蓄熱」が欠かせません。
建物の断熱・気密性能(保温力)蓄熱性能が、バランスよく働いてくれると、集めた太陽熱を有効に利用できるので、空気集熱式ソーラーにとっては、とても重要な温熱の3要素なのです。

暖かい床が気持ちいい!

改修工事を終えた直後にも床が暖かくなって、建物に熱が戻ったと実感しましたが、それから1カ月半が経過して、本当に床が気持ちよくなりました。OMソーラーが元気に働いていた頃の杉村さんは、家の中では常に素足で生活されていたそうですが、OM機器が故障して床が冷たくなったことで足が霜焼けになってしまい、靴下を履かざるを得なくなってしまったとの事です。改修工事を経て、また素足に戻れたのが嬉しいと言っていただきました。

床表面温度21℃ 足の裏が程よく暖かい!

数か月前の杉村邸のように熱を無くしたOMソーラーの家に住まわれている方は多いのではないでしょうか。
せっかくお日さまと一緒に住める仕掛けを持った家なのだから、これに少し手を加えて、もう一度お日さまをお迎えしてみてはいかがでしょう?全てのOMの家に応えられるわけではありませんが、私たちがお役に立てる事は必ずあると思います。興味を持たれた方は、是非お問合せ下さい。