青トラ訪問記-41 懐かしのファンボックス

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合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。

大寒を過ぎて寒さがピークを迎えていますが、日中のお日さまには救われますね。風さえなければポカポカと暖かいですが、こんな事言えるのも静岡だからであって、雪の多い地域は大変ですよね。でも2月に入って来ると日本海側や北海道などでも日照が良くなってきますから、春が感じられるまでもう少しの辛抱です。

先日、懐かしいハード達に会いに行ってきました。2015年に納品したコントローラとファンボックスなんですが、「最近動作がおかしい気がする」との連絡があり、何年ぶりかで点検に伺いました。

2015年と言うと11年前。その頃の私は「マイルストーン一級建築士事務所」という名前でソーラーの仕事をやっていましたが、それ以前に作られていたマイコン制御のコントローラが残っていたので、これらを使ってソーラーファンボックスを作っていました。2008年にOMソーラーを退職した後、「OMで出来なかった事をうちでやったらどうか?」と声をかけてくださったのが、現在陽のまど部材を作ってもらっている静岡県磐田市の金属加工会社(株)竜洋の鈴木社長でした。社長の言葉に甘えてお世話になることになり、OM時代からやりたいと思っていたリフォームに対応できる空気集熱式ソーラーに取り組みました。
空気集熱式ソーラーにおいて集熱装置と送風機は、性能を得るための両輪であると思っています。どんなに集熱性能を高めても、その能力を引き出すのは送風機の送風能力によるし、送風機の制御技術だけを追求しても集熱が出来ていなければ全く意味がない。両者のバランスを取ることが重要なのです。そのような視点でリフォームに対応するための集熱パネルとソーラーファンボックスを開発しました。現在の陽のまど部材と比べると、かなりメカメカしています。コントローラ(右下写真)などは、当時「見える化」ということが言われ始めた頃だったので、大きな液晶ディスプレイを採用して色々な情報を表示できるようにしていました。金属加工屋の製品らしく、プラスチックではなくてステンレスHL仕上げのカバーを作ったのですが、1個組み立てるのに物凄く手間がかかったんだよなぁ。(笑) 
オーディオアンプみたい!と男性請けは良かったんだけど、生産性やコスト面では失敗だったと思います。

問い合わせのあった「最近、動作がおかしい」については、温度設定のやり方を間違えていた為に集熱取入れをせずに室内循環運転を繰り返していたというものでした。私も十数年ぶりにこのハードに触れましたが、操作方法を忘れてしまっていて、取扱説明書を見ながらでないと設定ができませんでした。この頃は、集熱温度、外気温、室温の3つの温度条件を元に動作するという複雑な事をやっていました。OMソーラーのハードがこのような感じだったので、私自身その影響から抜け出せていなかったのだと思います。

私が作ったデジタルのコントローラは、これが最初で最後でした。プログラミングで動かすのは、色々なことが出来て面白かったですが、長期的に見た場合に私自身がこれらの保守をしていける自信がありませんでした。この制御基板のマイコンにプログラムを書き込むためだけに今もWindowsXPのパソコンを大切に保管していますが、これでは完全に時代に乗り遅れてますよね。なんでもタブレット、なんでもAIの時代にWindouwsXPって…
でもこの仕様を採用していただいたお客様がいらっしゃる限りは、古いものを止めてしまう訳にはいかないのです。

正直なところ、この時代の製品に対しては、もう交換部品がありません。ファンユニットは陽のまどで使用しているものと同じなので交換可能ですが、コントローラやパワーユニット、ダンパーモーター、温度センサーなどは在庫が無くなってしまったので壊れても代わりの部品を出すことが出来ないのです。今回訪問したお宅のハード達は、まだまだ元気で、ファンも綺麗な音で運転していたし、コントローラの表示も問題ありませんでした。まだ3~5年くらいは使い続けられそうな雰囲気でしたが、もし何か一つでも交換が必要な部品が出てきた場合には、陽もまど仕様への改造を提案しよう思います。これであれば時代の変化に関係なく、使い続けて行くことができるでしょう。空気集熱式ソーラーの家には、流行りのものではなく、長期的に信頼出来て持続可能なものを組み合わせるべきというのが、30年以上やってきて私が得た結論なのです。