FAQ よくいただく質問と答

Q
導入費用、ランニングコストはどのぐらいかかりますか?
A

建物の規模や設置条件により異なりますが、大まかな導入費用の目安としては、温暖地に建つ木造2階建、床面積100㎡(30坪)の家に「陽のまど」を計画すると、集熱パネル4枚、送風機1台、ダクト類、床吹出口など必要な部材一式で約70万円(税・送料別)。
施工費については依頼される施工会社から提示していただく事になりますが、この規模でおよそ20~30万円程度と思われます。
建物の規模や形態により集熱パネルの使用枚数や送風機の仕様、台数が変わりますので、まずは計画図面をお送りください。
概算見積り(無料)をさせていただきます。
ランニングコストについては、送風機の運転に電気代がかかります。
前述の規模の建物の場合に使用する送風機は交流100V、出力50Wのファンが1台で、1日に8時間程度運転すると仮定すると月のランニングコストは360円ほど。
オプションの室内循環運転機能を導入したとしても700~800円/月程度です。
季節や天候によって運転時間が変わるので、あくまで目安と思ってください。

Q
設計してくれるところ、施工してくれるところは紹介してもらえますか?
A

「陽のまど」や類似システムの設計、施工経験者をご紹介できるケースはありますが、陽のまどの設計はそんなに難しいものではありません。

建築の専門家であれば少し勉強すれば計画できます。
わからないことがあればサポートしますので是非挑戦してみてください。
施工に関しても同様です。

Q
知り合いの工務店に導入をお願いすることはできますか?
A

可能です。ただ「陽のまど」を単なる設備機器だと捉えて取り扱われると効果が得られなかったり、期待はずれな事になってしまう場合がありますので、少し勉強していただく必要があります。

「陽のまど」の設計、施工については、今後ブログの中で技術情報を公開していく予定です。
また「おいしい建築研究所」という勉強会を行い「陽のまど」の導入方法や利用方法について解説しますので、興味のある方はご参加下さい。

Q
雨が続いた場合はどうなりますか?
A

「陽のまど」は天気の良い日にコツコツ太陽熱を集めて蓄える仕組みなので、それによって得られた温熱環境は、数日雨天が続いた程度では影響ありません。しかし地域性もありますから不足する熱量は他の暖房設備によって補っていただく事もあるでしょう。

Q
エアコンがなくても大丈夫?
A

住まい手の温熱感覚や地域性によるでしょう。
「陽のまど」は太陽を熱源としていますから天候や時間によっては何も働かない場面があります。
その時に温度を上げたり、下げたりすることができるのはエアコン等の設備機器です。
日常的にエアコンを使う、使わないの判断は住まい手に委ねるとして、最近は命の危険を感じる室温になるケースもありますから、万一の状況に備えておくという判断はあるかと思います。

Q
夏の昼間はどうなりますか?
A

夏の昼間の「陽のまど」は、ファンを停止状態にして室内に高温の空気が侵入するのを防いでいます。
夏の防暑対策は、主に建築と暮らし方の工夫で対応していただく事になるでしょう。
例えば開口部から直接入る日射を遮る仕掛けを持たせたり、屋根の断熱と通気構造の工夫で室内に伝わってくる熱を低減させる、建物上部に集まる熱気を排出する仕掛けを備えるなどの建築的な工夫により室温を上昇させる要因を減らします。
加えて窓からの通風、換気、簾や葦簀による日射調整、打ち水による気化熱での涼房など暮らし方の工夫で対応できるものもあると思います。
エアコンの冷房のボタンを押す前にできることがないか考えてみては如何でしょうか?

Q
高気密・高断熱住宅と組み合わせ可能?
A

もちろん可能です。建物の保温力が低いと折角集めた太陽熱を有効に活かすことができません。特に日が沈んでからの温熱環境の維持は建物の断熱・気密性能によりますからとても重要です。

Q
陽のまどがあれば24時間換気設備は不要?
A

陽のまどはお日さまの条件で発停するので建築基準法で求められる24時間換気設備(0.5回/時換気)には合致しません。
別の換気扇で条件を満たして下さい。
ただし「陽のまど」による換気量は1時間あたり1~2回分に相当し、これに24時間換気分が加わるので、一般の家に比べて全体の換気量が多くなります。
これが空気の澱みがなくて清々しいと言われる所以です。

Q
実物を見てみたり、体感することはできますか?
A

現在、「陽のまど」専用のモデルハウスはありません。
過去につくられたお家をお客様のご好意により見学させていただく形で対応させていただいております。「陽のまど家」が全くない地域もありますのでご希望に沿えない場合もあるでしょう。
見学をご希望の場合は、見学可能な建物があるかをまず確認させていただき、その上でお受けできるかどうかを回答させていただきます。

Q
リフォームでも導入できますか?
A

「陽のまど」は、元々リフォームに対応できるソーラーをやりたくてつくったものなので、これまでに既存建物への導入実績はあります。
ただ新築と違って設置条件に大きな制約があるケースが多いので、どこまで手を入れるかはその建物の状況とお客様の希望、予算等の条件次第となります。
まずはご相談下さい。

Q
北向きの屋根でも効果はありますか?
A

太陽光発電などでは北向き設置をやっている例を見ますが、「陽のまど」において北向きでの集熱は費用対効果の面でメリットが低いのでお勧めしません。
お日さまと対話できる形が家に求められるので、これを無視した計画ではお日さまがその家に住みついてくれることはないでしょう。

Q
導入計画は作成してもらえますか?
A

見積りの根拠となる機器の配置図等、簡単な図面は作成することはありますが、一般的な窓の配置計画をサッシメーカーに委託しないのと同じように「陽のまど」の計画は自身の手で行われた方がより「おいしい建築」になるように思います。
計画にあたっての助言はしますので是非挑戦してみて下さい。

Q
施工は依頼できますか?
A

弊社は「陽のまど」の施工を受けることはできません。施工を受注した会社で担当を明確に決めてその人を中心に施工にあたっていただきます。

Q
施工立ち会い(指導)は依頼できますか?
A

初めて「陽のまど」の施工を行う方のために有償になりますが施工指導をお受けしています。
集熱パネルを設置するタイミングで現場を訪問して、集熱面工事に立ち会います。
また送風機やダクト工事など内部造作工事の進捗に合わせて行われる作業についても、施工を担当される方に直接実機を見ながら作業手順や注意事項などを説明します。
「陽のまど」の施工は、難しい事はありませんから独力で完成させている方も大勢いますが、施工が悪ければ効果が出ないものなので、不安であれば施工指導をご用命ください。

Q
施工手間はどのぐらいみておけばいいですか?
A

建物や導入する「陽のまど」のシステム規模によりますが、例えば木造2階建て30坪の住宅の場合、集熱パネルは4枚で計画する事が多いです。これくらいの規模の場合の施工手間については以下の人工数を目安に算定して下さい。

【集熱面工事】
作業時間:半日 作業者:大工or板金屋 2名程度
人力で荷揚げする場合は4~6名程度必要

【送風機設置工事】造作工事の進捗に応じて
作業時間:半日 作業者:電気工事士 1名

【ダクト工事】造作工事の進捗に応じて
作業時間:半~1日 作業者:大工orできる人 1名

【床吹出口設置工事】造作工事の進捗に応じて
作業時間:半~1日 作業者:大工 1名

【試運転調整】必ず試運転を行ってから引き渡してください。
作業時間:1~2時間程度 作業者:現場監督 1名

Q
マニュアル、講習会などはありますか?
A

マニュアルの制作は未定です。技術情報はブログ等を通じて発信していく予定です。
また技術講習会は「おいしい建築研究所」にてオンライン講習を予定しています。

Q
パネルの破損時はどうなりますか?
A

現行の集熱パネルが登場して12年になりますが、これまでに飛来物や雹などにより集熱ガラスが割れてしまった事例は2件あります。
集熱ガラスは風による影響で集熱温度が下がるのを防ぐ目的で使用しているものであって、それ自身に防水の役割は持たせていないので、ガラスの破損=漏水には直結しません。
ガラスのみ交換できる構造なので現場で復旧させることができます。
製品保証は1年としていますが、材料の仕様に起因する破損等は概ね1年以内に症状が出ると思われるので、それ以上の長期にわたる保証はしていません。また自然災害に伴う破損や施工に起因する雨漏り等の不具合に関しては免責とさせていただいています。
自然災害による損害までカバーできる保険に加入することで、万が一に備えているお客様が多いと思います。

Q
故障時の交換などについて教えてください
A

ファンボックスや電動ダンパーなど電気的に動作するものは、いずれ壊れる時が来ると思いますが非常にシンプルでメンテナンスに大きな負担がかからないような構造、仕様にしていますので先々の不安要素は少ないと考えています。
ただし機械に人が近づけないとか、どこかを壊さなければ交換作業ができないというような設置方法は絶対に避けてください。

Q
基礎断熱でないとダメですか?
A

「陽のまど」の集熱空気の広げ方は床下空間を利用する事を前提にしていますので、基本的に基礎断熱が条件となります。
ただし既存建物への導入事例では床下空間を利用できないケースもあって空気を広げるための別の工夫をしたこともありますので、基礎断熱が絶対条件ではありませんが「陽のまど」が目指す「頭寒足熱」の温熱感を実現するためには床下利用が合理的と思います。

Q
屋根断熱でないとダメですか?
A

天井断熱でも問題ありません。

Q
陽のまどに組み合わせる換気設備はどのようなものが適当ですか?
A

「陽のまど」の換気方式は、機械によって給気する「第二種換気」になります。
これに組み合わせる換気システムは、第一種換気(給排気ともに機械)でも第三種換気(排気のみ機械)でも構いません。
その地域の気候や建物用途に応じて選んでいただけば結構です。
ただキッチンやトイレ、お風呂など大量の水蒸気や熱、臭気等が発生する場所では、速やかにこれを排出すべきですから第三種換気が適当でしょう。
この換気方式は比較的安価なので、これらで24時間換気の条件を整えておき、「陽のまど」が運転することで更に大きな換気が得られるというのがコスト面でもメリットがあると思います。
外気温が低い寒冷地においては、全熱交換型換気が適すると思いますから、何を採用するかは適材適所の判断が必要です。

Q
暖冷房負荷・ランニングコストの予測などはできますか?
A

「陽のまどの家」の温熱環境や省エネルギー性を確認できるシミュレーションプログラムがあります。
建設地に最も近いアメダスの気象データを用いて、非定常計算で解くこのプログラムでは、私たちが目標とする「自然室温で暮らせる家」になっているかどうかを確認する事ができます。
※このシミュレーションは有償対応になります。

Q
非住宅物件にも導入できますか?
A

これまでに住宅以外でも老人介護施設やこども園、保育園、集合住宅、木材乾燥庫などに導入された実績があります。特に小さな子供とお年寄りのための建物に「陽のまど」はとてもフィットすると思います。