花粉にも有効な陽のまどの換気

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合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。

いつもお世話になっている和秋建設の前田社長がFacebookに陽のまどの効果についての投稿をして下さいました。

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和秋建設・本社屋の陽のまど

外気温:10℃、集熱温度(ダクト内温度):43℃、室温:23.9℃を記録していたとの事で、穏やかな暖かさが想像できます。CO2濃度も測られているそうですが、陽のまどの最大の役割は、室温を下げることなく換気が出来る事なので、その効果も発揮されているようです。

陽のまどは正圧換気

陽のまどの換気は、外気をファンで室内に取り込み、室内各所に設けられた換気口や隙間などから排気する「第2種換気」になります。この換気方式の特徴は、室内圧が外よりも高い(正圧)ので、例えば換気中に窓を開けると室内から外に向かって空気が流れることになり、外の冷たい空気が入りにくい状態をつくります。これは空気だけでなく、この季節に多くの人々を苦しめる花粉の侵入も抑えてくれるのです。

一般の家ではお風呂やトイレ、台所に換気扇が付いていて、室内の汚れた空気を強制的に排気しています。このような換気方式を「第3種換気」といって、機械排気により室内を圧にするので、必然的に給気口から外気(花粉等も含む)が入って来ることになります。

「冷たい空気が入りにくい」「花粉の侵入も抑えられる」 
これだけ聞くと「第2種換気の方がいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、この換気方式は病院の手術室などに採用されるくらいで、一般住宅で使われることはほとんどありません。
それは何故か?

「第2種換気」は、ファンで外気を強制的に取り入れる仕組みなので、そのまま換気すると室温が下がってしまいますから、外気の温度を調整する仕組みを持たないと、この換気方式は成り立たないのです。その点で陽のまどは太陽熱を利用して外気を温めながら取り入れる仕組みなので、一般住宅においても第2種換気を行うことができるのです。

いい事ばかりじゃない第2種換気

陽のまどだからの換気方法をご理解いただけたかと思いますが、ただこの方法が万能かと問われれば、そんなことはありません。第3種換気の方が優れている部分もあるので、それぞれの長所短所を知っておく必要があります。

例えばトイレの臭い匂いはすぐに排気したいですが、これを第2種換気で行おうとすると建物全体に臭気が広がってしまう恐れがあります。他にも湿気の多いお風呂や煙や油、水蒸気が大量発生する台所においては第3種換気で汚れた空気を速やかに排出する方が良いのです。このように一口に「換気」と言っても色々な方法があって、その用途に応じた換気方式を選ぶ必要があります。

「陽のまどの家」における換気は、トイレや洗面所に設置される第3種換気をベースとし、お日さまやお星さまの条件が揃った時に「陽のまど」による第2種換気が建物全体の空気を動かしてくれるという感じになるでしょう。
それぞれの長所を活かし、短所を補い合う換気方式の組み合わせが良いと思います。

今回は登場しませんでしたが、もう一つ「第1種換気」というのがあるのですが、そのお話はまた別の機会に…