mokoshi

ヒノムくんの日常ブログ

おいしい建築研究所 研究員のヒノムです。

先日、秋の陽気に誘われて奈良へ行きました。「いざ、いざ、奈良へ」というやつです。
所長が急に「薬師寺の東塔が見たい」と言い出したのがきっかけで出かける事にしました。

所長が初めて薬師寺を訪れたのは大学生の頃だったそうですが、渋い東塔に煌びやかな西塔が並んで立つ姿が、本当に美しいと思ったそうです。それから何度か訪問していますが、最後に参拝したのは10年以上前のことで、その時の東塔は解体修理の真っ最中で、全体が覆われていて、あの美しい姿を見ることが出来なかったのだそうです。2021年に修理が完了し、東塔、西塔が並んだ姿を見ることができるようになりましたが、今度は所長自身が忙しくて、なかなか奈良まで行く機会がなかったのだとか。秋の日射しと青空を背景にした薬師寺の白鳳伽藍は、さぞ美しいだろう!という事で出かけました。

薬師寺

薬師寺については、僕なんかが解説するまでもなく、皆さんご存知の奈良を代表するお寺ですね。

薬師寺 東塔
薬師寺 西塔
薬師寺 金堂

何時間見ていても飽きません。塔単独でも美しいですが、東塔と西塔が並び立つ姿が好きです。

法隆寺

当初は薬師寺を参拝した後、東大寺と興福寺へ行くつもりでした。でも奈良公園周辺は人だらけ、鹿だらけで近づく事が容易ではありませんでした。車を停める事も困難なようなので、東大寺を諦めて法隆寺へ行くことにしました。

法隆寺
法隆寺 五重塔
法隆寺 金堂

法隆寺の五重塔は、所長が小学5年生の時に初めて作った社寺建築のプラモデルだそうで、五重塔の次に金堂、夢殿と作って、自分の机の上に法隆寺・西院伽藍を再現していたそうです。その頃から気になっていたのが、五重塔と金堂の1層目にある裳階(もこし)。

裳階は↑の部分で、仏堂や塔の軒下壁面に付いた庇状構造物で、風雨から内陣を保護するために付けられるものです。

五重塔の1層目には、奈良時代はじめにつくられた塑像群が、東西南北各面に配置されています。北面の釈迦の涅槃像は有名ですね。これを拝観するために基壇を昇り、裳階の中へ顔を入れた瞬間、気持ちの良い風を感じました。この日は秋晴れで日射しも強くて、少し汗ばむくらいの陽気でした。風は僅かに感じる程度だったのですが、裳階の中は心地よい風が流れていました。外風が裳階の連子窓を通る時に整えられて、程よい風になって流れてきたのかもしれません。

西院伽藍の連子窓

私たちは、室内から見た時にいきなり外よりも、このような半分中、半分外のような中間領域の空間を設けると、穏やかな温熱環境をつくることができるという事を過去の経験で学んでいましたが、まさか法隆寺でその事を再認識させられるとは思いませんでした。

陽のまどの効能(その7) – サンシャイン・ラボ

↑は過去のブログで紹介したリフォーム案件における陽のまど導入例ですが、建物本体の外側に設けたサンルーム的な土間空間が、穏やかな温熱環境をつくり出す良い働きをしてくれました。
これまでは「サンルーム」と呼んでいたのですが、アルミサッシメーカーが提供するガラス温室みたいなイメージと重なってしまうので、これからは「裳階 (mokoshi)」と呼ぼうかなと思っています。

mokoshi:ちょっとカッコよくないですか?