合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。
連日の酷暑に身体がついていけませんね。
私の故郷である愛知県春日井市で、数日前に最高気温41℃が記録されたとニュースで言っていました。最近、実家に行っていないのですが、お盆を前にお墓の掃除とかしなければならないので、今週末辺りに行こうかと思っていましたが「41℃かぁ」と思うと躊躇してしまいます。今日(7/23)の浜松市は天竜区佐久間で41.1℃で、歴代の最高気温を更新したのだとか。凄まじい暑さですね。でもお盆を過ぎる頃には太陽の影響も弱まって来ることでしょう。ただし今受けている熱が地面や海に蓄熱されますから、残暑は厳しいと思います。くれぐれも熱中症に気をつけて健やかにお過ごしください。
OMソーラー復活計画(番外編)
これまでこのブログで「OMソーラー復活計画」を連載してきましたが、それよりもはるか以前に実践した事例がありましたので、番外編としてご紹介したいと思います。
2018年の事なので「びおソーラー」の時代ですが、浜松市内に建つOMソーラーの家で、壊れたままになっているファンボックスを交換したいとの相談を受けました。現地を見させていただいたところ、築40年くらいになる建物でしたが、手入れが行き届いていて綺麗に住まわれている様子でした。


集熱面は、OM伝統の瓦棒葺き屋根の上に集熱ガラスを載せた形で、何度か補修された跡がありました。しかしゴムのパッキン材などが脱落しており、集熱板の塗膜表面も白化が進んでいたので、そのまま利用するのであれば一度集熱ガラスを取り外して、集熱板を再塗装し、屋根下地を整えてからガラスを載せ直すようにした方が良いと提案しました。

OMハンドリングボックスは、入口側ダンパーボックスが三角形のM型ハンドリングでした。故障していると聞いていたのですが、ファンが動いていました。しかし写真のように断熱フレキシブルダクトが劣化して、あちらこちらで破れて大穴が開いている状況でしたので、集熱面からの空気はまともに吸気出来ていなかったと思います。

OMソーラーをコントロールする制御盤ですが、↑このタイプは話には聞いていたけど、実物を見るのは初めてというものでした。正常かどうかはよくわかりませんが、写真のように温度も表示されていて、動いてはいるという感じでした。これまでにも壊れていると思い込んでいて、ファンが通電されたままという現場がいくつもありましたが、素手で触れないくらい機器が熱くなっていて、火災の原因になってもおかしくない危険な状態で放置されているものもありました。機器が故障してしまった場合は、必ず電源を切っておきましょう!
集熱面の改修工事
現地調査の時点では、既存のOM集熱面を活かす方法を提案しましたが、施主の希望からびおソーラーの「集熱パネル」に置き換える事になりました。


既存の集熱屋根を撤去し、集熱パネルを設置するための屋根下地を整えます。本件では、小屋裏取込みという方法が採用されていたのですが、集熱パネルを使用する関係から小屋裏から集熱面につながるルートは完全に塞ぎました。


OMソーラーの集熱棟ダクトをそのまま利用するので、集熱パネルとのダクト接続に工夫が必要です。

縦型集熱パネル・側面吸気仕様9枚を使用します。カラーベストの既存屋根とOM集熱面との取り合い部分に新しい外気の取入口をつくりました。

集熱面が完成しました。既存のカラーベスト屋根は、金属屋根でカバーされました。
ソーラーファンボックスと夏排気問題
陽のまどでは、耐熱性の高い集熱パネルを使用する事で夏排気を不要とする形で運用していますが、今回は集熱パネルを使用していても、夏のファン停止時に熱い空気の行き場所が無いので、これを回避する仕掛けが必要でした。

前述の「改修計画案」のように既存OMハンドリングを撤去して新しいソーラーファンボックスに置き換えました。
陽のまどでも使用しているSS-F17型ファンボックスです。

当時考えた夏排気対策は↑のような方法でした。
夏排気用のファンを別で用意して、元々あったOM夏排気口から外気を取り入れて、このファンに接続。排気ファンから半円形棟ダクトに接続して、集熱パネルを逆流させて外気に開放するという仕掛けです。
従来のように夏排気をさせても良かったのですが、施主から「小屋裏が暑くて仕方がない」と言われていたので、その原因の一つが夏排気運転によるOMハンドリング本体の加熱が挙げられると考えて、外気と小屋裏空気を混ぜながら排気ファンに吸気させるようにして、施主の要望に応えようと思いました。

夏排気を集熱面に送って温度を下げるという方法は、OM本社屋の「地球のたまご」でも試みられていましたが、私はこの方法には懐疑的でした。当時のファンの送風能力で本当に集熱面全体に空気を逆流させて、温度を下げられるのか?という能力的な事と、もし逆流した集熱空気が軒先の吸気口から排出されたとしたら、軒先に近い窓を開けていたら熱い空気が室内に入ってきてしまう。その辺りの問題をどうするのか?という疑問点に誰も答えてくれないので、個人的には「やるべきではない」と思っていました。しっかり検証されたのかどうかはわかりませんが、実際の物件にも導入されたようです。因みに逆流運転をしたら棟温度の表示値が下がったから効果ありと考えるのは早計だと思います。集熱温度より低い室内空気をファンで集熱面へ送れば、棟温度が低い値を表示するのは当然でしょう。それだけで集熱屋根面全体に空気が流れているかどうかは分からないので、屋根が冷やされているとは言い切れません。過去にこのような仕組みを持つ集熱屋根の軒先で逆流運転時の風速を測った事があるのですが、全く風が出てきませんでした。恐らく棟に近い辺りで高温の空気が滞留しているものと思われ、私が懸念していた事が証明された形になりました。
そんな疑念を持つ私ですが、この物件においては集熱面への逆流排気を選択しました。理由としては集熱パネルだけで軒先吸気ではない事と、既存の半円形ダクトを利用するので空気を分散させやすい事からこの方法をやってみることにしました。
集熱面完成後に煙試験を行って、9枚の集熱パネルから均等に煙が出ていることも確認しています。その時の試験の様子を収めた動画があったのですが、残念ながら見つかりませんでした。

この物件が完成したのは2019年の事なので既に7年が経過していますが、今も元気に働いています。先日、久しぶりに訪問させていただきましたが、お施主様もお日さまの存在を感じながら暮らされているようで、嬉しくなりました。「rewarm(温め直す)」の好事例だと思います。

