陽のまどを構成するモノ

「陽のまど」を構成するモノ

1. 集熱パネル(熱い空気(血液)をつくる)

トップライトのように見えますが、これが太陽熱専用の窓「陽のまど」です。このパネルが日射を受けると内部で高温の空気がつくられます。1枚の大きさは畳と同じ910mm×1820mmで、集熱部とダクト部の二層構造になっています。これを複数枚連結して屋根や壁に設置し、一体の集熱面を構成します。横型と縦型があり、建物の規模や間口寸法によって使い分けます。

2. 温度スイッチ(脳)

「陽のまど」の動きをコントロールする「脳」の働きをするのが、「冬/夏」のバイメタル式温度スイッチで、これを集熱パネル内に取付け、内部温度が規定値に達するとスイッチがON/OFFします。「陽のまど」ではデジタルなものは使っていません。長期的な信頼性や耐久性、メンテナンス性を考えると、アナログなものの方が時代の流れに関係なく、安定して使用できるからです。

【温度スイッチの動作条件】
冬用温度スイッチ:25℃以上ON、20.5℃以下OFF(暖かい空気を取り入れる)
夏用温度スイッチ:30℃以下ON、34.5℃以上OFF(涼しい空気を取り入れる)

3. ソーラーファンボックス(心臓)

陽のまどの送風機は、交流100V駆動の片吸込み型シロッコファンを使用しています。高い送風能力と耐久性、静粛性に優れているほか、将来の部品入手性の心配が少ないという事でこれを採用しています。建物や集熱面の規模に応じて4種類のサイズのファンを用意。比較的コンパクトなので、小屋裏に限らず、床下や天井裏などの小さなスペースにも設置できます。

小屋裏設置のソーラーファンボックス
床下設置のソーラーファンボックス
SS-F17型

4. ダクト接続ボックス

屋根から室内にダクトを通す部分には、ダクト接続ボックスを使用します。屋根に開口を設けて、内側を断熱した金属製の箱を落とし込み、これを起点として室内のダクティングを行います。ダクト接続ボックスは、屋根勾配に合わせて用意されており、建物に対して垂直に室内に入るようにしています。これは室内側のダクティングをシンプルなものにするためです。また最近は屋根の断熱層の厚さが設計によって様々なので、ボックスの高さをその物件に最適となる寸法で用意します。

ダクト接続ボックス
合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。今日は陽のまどを構成する部材のひとつ「ダクト接続ボックス」についてお話します。これは何をする物かと言うと、集熱パネルから屋根を貫通して室内へダクトを通す部分に使用する部材で、下図のように納まります…
ダクト接続ボックスの施工
ダクト接続ボックス設置状況

5. 電動ダンパー

電動ダンパーは、屋外と室内の境界に設置される電気式のシャッターです。温度スイッチからの指示で開閉し、熱い空気を取り入れたり、閉じて冷気の侵入を防いだりする働きをします。

左:MD-200 右:MD-150
電動ダンパー設置状況
電動ダンパーの話
合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。電動ダンパーとは、空気流路に取付ける電動のシャッターです。集熱面から室内に入って来るダクト接続ボックスに取付けるソーラー用電動ダンパーと室内循環経路に取付ける循環用電動ダンパーがあり、集熱パネル内…

6. ダクト・床下空間(血管)

集熱面から床下までダクトを配管します。この中を熱い空気が通って、家中を巡ります。陽のまどで使用するダクトは、グラスウール製丸ダクトΦ150mmまたはΦ200mmです。また微小なダクトの芯ずれやグラスウール製ダクトでの配管が難しい場所では、断熱フレキシブルダクトを使用します。
床下空間は基礎断熱工法を採用し、熱が外部に逃げないようにすると共にコンクリートに蓄熱をさせる大切な役割があります。

立下りダクト
基礎断熱工法の床下
GW丸ダクト 90°エルボ
GW丸ダクト
断熱フレキシブルダクト

7. 床吹出口

床下に送られた集熱空気は、床吹出口を目指して広がって行きます。その際に基礎のコンクリートに熱を預かってもらいつつ、床の裏面を温めながら進むのです。陽のまどの床吹出口には、金属製と木製の2種類があり、どちらも風量を調整する機能が付いています。

床吹出口のはなし
合同会社サンシャイン・ラボ 代表の松原です。前回は「床吹出口と床下の清掃」についてお話ししました。床吹出口と床下の清掃 | サンシャイン・ラボ床吹出口の役割をご理解いただけたのではないかと思うのですが、でも多くの方は、ここから石油ファンヒー…
床吹出口 施工例
金属製床吹出口
木製床吹出口(栂)
金属製床吹出口(ベージュ/グレー)

8. 操作スイッチ

「陽のまど」を操作するスイッチもシンプルです。今どきは液晶ディスプレイのリモコンやタブレット端末で操作するようなものが流行りですが、これらの寿命は本体より短くて、壊れるとどうしようもなくなるという事をみなさんも経験されていると思います。そういった不自由を避けるために敢えてシンプルなものを選びました。これには温度表示機能などはなく、運転しているかどうかはスイッチのパイロットランプで確認できます。この仕様で必要十分と考えており、これまでに「不自由だ」と言われたことはありません。

操作スイッチ

“メカ・ミニマム”がいい!

陽のまどの設備は、シンプルで壊れにくく、交換が容易に出来るものが良いと考えています。冷蔵庫や洗濯機が壊れた場合、家電量販店へ行けばすぐに新しいものと交換できますが、太陽光発電や全館空調システムのような建築の中に根を張るような設備の場合は、そんな簡単には取り替えることができません。陽のまどにも同様の部分があるので、先々のメンテナンスや交換作業の負担を少なくする配慮が重要と考えています。シンプルに太陽の恵みを取り入れるだけならば、メカは最小限に留めるべきというのが、私たちの考え方です。

陽のまどは、”Made in Shizuoka”

私たち合同会社サンシャイン・ラボは、静岡県浜松市の会社です。代表の松原が30年以上の経験を元に陽のまど部材を企画・設計し、同じく30年以上の付き合いがある遠州地域(静岡県西部)の会社に部品を製造してもらっています。最先端の家電品や設備機器のようなスマートさはありませんが、家の中で長く働いてもらわなければならないハード達ですから、1台1台丁寧に仕上げて送り出すことを心掛けています。